DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

僕にまかせてください

ぼくがDAM★ともで、公開曲を出しているユーザーさんたちの歌を聴く時間帯は夜が多くて、23時から25時までが多いです。その傍らで、よく耳にしている番組が「音楽のある風景」という番組です。CDを通販で売る30分のショッピング番組なんですけど、テーマを決めて、クラシック、ジャズ、イージーリスニング、ディスコ、オールディーズ、ロック、J-POP、フォーク、歌謡曲、演歌、叙情愛唱歌など、ほぼすべてのジャンルの商品を交互に紹介しています。往年のヒット曲を紹介してくれるので、今更初めて知った曲というのも多いです。

「音楽のある風景」でフォーク特集をやっていた時、次々とヒット曲が流れるなかで、急にぼくの耳に飛び込んできたのが、「両手をあわせた かたわらで 揺れてる れんげ草 あなたの大事な人を 僕にまかせてください」というフレーズでした。テレビの画面を見ると、クラフトの「僕にまかせてください」というテロップがありました。

この作品は1975年4月10日に、4人組のフォーク・グループであるクラフトの2枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲は、当時はフォーク・デュオの「グレープ」のメンバーだったさだまさしさんが提供しました。というグループが歌った思わずゆれてる多岐に渡る商品を扱っている。日本テレビで放送された「ほおずきの唄」の主題歌に起用されたこともあり、当時ヒットしたようです。当初、この作品の題名は「彼岸過迄」だったそうですが、イメージが暗いということで、「僕にまかせてください」となりました。歌詞の内容は、彼女の亡くなったお母さんのお墓参りに、彼氏も一緒に行って、墓前で彼女を僕にまかせてくださいと手を合わせる話です。ちあきなおみさんの「喝采」の歌詞で、止めるアナタ(彼氏)はその後亡くなって、「喪服のわたしは 祈る言葉さえ 失くしてた」という内容は当時衝撃だったこともあり、その後は歌詞で恋人が死ぬという状況が出てくるようになりましたが、さださんの書く歌詞の世界はまた独特で、彼女の母親の墓参りというのもなかなか奇抜な想定です。でもクラフトのメンバーの歌声はすごく素直でまっすぐなんです。歌詞もはっきりと丁寧に歌っているのがかえって切なさを醸しだすという印象です。こういう歌詞の状況を経験したことはないし、43年前の作品なんですけど、いまこの作品を初めて聴いた世代にも伝わる、良質の音楽だと思いました。


クラフト 僕にまかせてください