DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

最期の川

3月4日にこのブログで新しい地図の「雨あがりのステップ」を書いたところ、いつも以上に多くのアクセスがあり、ちょっと驚きました。他のSNSの反響などを見ても、それだけ、稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんへの世の中の人たちの期待が大きいんだなあということを改めて実感しました。なお、ぼくも間違えたのでブログを修正しましたが、新曲のタイトルは「雨上がりのステップ」ではなくて、「雨あがりのステップ」です。

さて、2月21日に俳優の大杉漣さんが急死されました。ぼくは大杉さんをテレビではよく拝見していましたが、演じられているお姿はほとんど拝見したことがありませんでした。ぼくが唯一、大杉さんの演じる姿をよく見たのは、CHEMISTRYの「最期の川」という曲のMVに父親役で出演されたときでした。

「最期の川」は2007年10月24日にCHEMISTRYの22枚目のシングルとして発売されました。この作品は、作詞をされた秋元康さんが原作の映画「象の背中」の主題歌となるんですが、元々は秋元さんが原作の世界観を音楽で表現してみようと、井上ヨシマサさんに作曲を依頼し、この曲に秋元さんが歌詞をつけたところ、映画を撮った井坂聡監督にも好評だったこともあり、主題歌の起用が決まったそうです。そして、主題歌を歌う歌手については、「1人の男の中にいる2人の自分を表現できるアーティスト」ということでCHEMISTRYが選ばれました。この作品は「死」をテーマにした、人の普遍的な愛を歌っていますが、堂珍さんと川畑さんの声が自然に調和して、素直に歌われているのが、生きていく姿勢を表現できたのかなと思います。編曲がCHOKKAKUさんというのを見て、いつもとは違うので意外な感じがしました。

象の背中」は、末期の肺がんで余命半年と診断された48才のサラリーマンの心情と生き方を描いた小説ですが、運命を受け入れて強く生きようとする自分、でも残していく家族のことを考えていると切なくなる自分、そんな心の葛藤を描いています。映画では役所広司さんが主演をされていますが、CHEMISTRYの「最期の川」のMVでは、病気を患っている父親役を大杉漣さんが演じられました。

何か未来を言い当ててしまうことって、歌手の歌詞や、役者の芝居にはあったりするんですが、改めてこのMVを見るとそんな気がしました。

芸能人は仕事を取ってこそ生き残れる厳しい世界なので、大杉さんも、事務所の社長である奥様も、多くのオファーに真摯に応じられてきたのだとは思いますが、全身全霊で表現する仕事であるだけに、お忙しすぎたのではないかと思わずにはいられません。

ぼくは「最期の川」という作品で、大杉さんのご冥福をお祈りします。

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