DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

さらさら

更新が空きましたが、この間ちょっと外国に行ってきました。約12時間のフライトはいかに時間を過ごすかがいつものぼくの課題なんですが、機内のオーディオのJ-POPが充実していたので、退屈せずに済みました。聴きまくった曲の中で初めて知った曲も多かったんですが、その1曲がスピッツの「さらさら」という曲でした。

この作品は2013年5月15日に彼らの38枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲はボーカルの草野正宗さん、編曲はスピッツ亀田誠治さんです。亀田さんというと2013年から2016年までNHKのEテレで放送した「亀田音楽専門学校」のイメージがあって、ぼくも時折見てました。アーティストをゲスト講師に呼んでましたが、スピッツはゲストでの出演はありませんでした。

機内でスピッツのベストアルバムを聴いていたんですが、音声が聴けた10数曲の中でぼくがこの作品を気になったのは、いくつかありました。メロディーがアップ・テンポで耳に乗りやすかったということもあり、初期の頃の曲の雰囲気も感じて、でも最後のサビ前のCメロあたりは今まで聴いたことのあるスピッツとはちょっと違うなと感じながら、面白い曲だなと思いました。一方、歌詞の言葉は牽き付けられるフレーズがいくつかあって、「素直になりたくて言葉を探す」っていうのは今のぼくでもあるんですが、「何かあるようで何もなくて 雨の音だけが部屋をうめていく」というのは、何か答えを探しているけど見つからなくて、理想と現実のギャップとかゆがみが埋められない主人公の姿。「だから 眠りにつくまで そばにいて欲しいだけさ 見てない時は自由でいい」の「だから」が最初はちょっと繋がらなかったんですが、何か相手を束縛してしまった反省もしつつ、でも相手にすがりたいそんな心の弱さも見せたり。2コーラスの歌詞で「遠く知らない街から 手紙が届くような ときめきを作れたらなあ」という歌詞があって、外国で絵ハガキを買って、「いま、**に来てます。とってもいい街だから、今からこっちに来ませんか?」みたいなことを書いて、日本に送ってみたみたいなことを考えてしまいました。大体、帰国後に一緒に手紙を見るなんてことになりそうですが。Cメロの歌詞も結構不思議な言葉が続きますが、「夢オチじゃないお話 100度目の答なら 正解 正解」というのがあって、2人で悩みながら正解、これは人生の理想を探すために一緒に生きていこうよという主人公の願いなのかなと。

でも何で、曲名が「さらさら」なのかなって。物が軽く触れ合ったり、小川の水が軽やかに流れたり、湿り気がなくて乾いた感じが「さらさら」なんだと思いますが、これって、激動の都会の生活の喧騒の中でひっそりと見つけた静寂とか、オーディションに集まった、合格しようという人たちの中にひっそりといる逸材みたいなことなのかなと。聴けば聴くほどいい味が出る曲をぼくは「スルメ曲」って思ってるんですが、この作品もぼくの「スルメ曲」になりそうな気がします。


スピッツ / さらさら