DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

君が思い出になる前に

ぼくがDAM★とものユーザーさんの公開曲を次々と見ていくなかで、最近聴いているのが、スピッツの作品を歌っているユーザーさんの歌です。多くの作品が歌われていますが、その1曲が「君が思い出になる前に」という曲です。

この作品は1993年9月26日に発売された彼らの4枚目のオリジナルアルバム「Crispy!」に収録されると共に、シングルカットされて1993年10月25日に7枚目のシングルとして発売されました。この作品でスピッツは初めてオリコンチャート入りしましたが、最高位は33位というスマッシュヒットでした。その後、CM曲としても使われた影響もあり、今ではスピッツの初期のナンバーとしてこの作品を多くの方がご存じだと思います。当時のスピッツはまだ売れない時期が続き、「そろそろ売れる作品を作らなければ」という思いを感じていたそうです。プロデューサーに笹路正徳さんを迎えて、従来より厚みのある音質を狙っていました。そして、スピッツのメンバーも「売れる音楽」を意識して楽曲を作っていき、「君が思い出になる前に」もそんな1曲だったそうです。ただ最初は「Crispy!」がなかなか売れず、ボーカルの草野マサムネさんは「自分の曲や声は一般受けしないのか」と落ち込んでいましたが、シングルとして「君が思い出になる前に」がヒットしたので持ち直したそうです。売れるか売れないかというのは誰にもわからないし、歌が上手くても売れないし、歌が下手でも売れるし、楽曲が優れていても売れないし、駄曲でも売れたりするし、賭けみたいなものだと思います。でもここで売れなかったら、その後の「ロビンソン」にも、その後のスピッツにも出会うことはなかったわけで、当時スピッツのCDを買った皆さんに感謝です。

ぼくはスピッツをもう少し知ろうと思って、1999年12月15日に発売された彼らの初のベストアルバム「RECYCLE Greatest Hits of SPITZ」を買って、その1曲目がこの作品でした。透明感のある草野さんの声が、夏の恋が終わる情景を想像させてくれるものでした。ただこのベストアルバムは、スピッツや彼らの事務所の許可を得ないまま、ポリドールがリリースを強行した経緯もあって、このアルバムについては彼らの公式サイトのディスコグラフィには載ってませんし、ファンクラブに対しては、自分たちの意図に反してリリースしたことに対してお詫びを掲載しました。結果的にこのアルバムは200万枚以上のセールスを挙げましたが、スピッツのメンバーには不満があったようで、その後、2006年3月25日に「CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection」をユニバーサルJから発売し、これと同時に「RECYCLE~」は製造及び販売が中止となった上で、廃盤となりました。ちなみにポリドールとの契約は2001年で終わり、2001年から現在はユニバーサルJです。というわけで、スピッツは結構お怒りの「RECYCLE~」ですが、ぼくにとっては今でも大切に聴いているアルバムです。


スピッツ / 君が思い出になる前に