今年はカレンダーの関係もあり、8月11日からお盆休みが本格的に始まったようです。お盆休みは毎年かちっとした期間が決まっているわけではありませんが、8月15日を中心とした約1週間ぐらいの間になることが多く、各地に住んでいる親族が実家に帰省して一堂に顔を合わせる機会にもなっていると思います。おばあちゃんの家に遊びに行っているお子さんもいると思いますが、そんな情景を歌っているのが、福山雅治さんの「蜜柑(みかん)色の夏休み」という曲です。
この作品は2001年4月25日に発売された福山さんの8枚目のオリジナル・アルバム「f」に収録されました。福山さんは自分の歌詞で、中学生以前のことを書いたことがなかったので、小学2年生~3年生の頃の福山さんのおばあちゃんとの思い出をモチーフに書いたものだそうです。
ぼくがこの作品を知ったのは、2015年に公開された映画「アリのままでいたい」の主題歌に、福山さんの「蜜柑色の夏休み」が起用されているのを聴いたからなんですが、ほのぼのする歌詞とメロディーがいいなと思いました。
「8時6分発 ヂーゼル汽車に乗って 蜜柑のおばあちゃんの 笑顔に逢いにゆこう」から、子供の小さな冒険が始まっています。いまの時刻表では、長崎駅発8時6分発の列車はないんですね…。汽車に乗って、キラキラ光る夏の海の様子が、情景が浮かぶように歌詞が書かれています。学校での勉強では得られないことを、夏休みの中でいろいろな見聞を広めたり、経験をしたりすることで、子供も一回り成長するんですよね。
夏休みは大人も見聞を広めて成長する機会だと思います。1945年8月9日11時2分に、アメリカが長崎に原爆を投下したことは、日本人が忘れてはならない歴史の1つです。その時から72年が経ちましたが、この時期に放送される幾つかの番組を見て、被害を受けた人たちやその子孫が今なお癒されない苦しい人生を過ごしていることを知りました。
そんな戦後を乗り越えて、蜜柑色の夏休みがあると思うと、安心して生活できることのありがたさを改めて感じます。