一昨日は福山雅治さんの「最愛」について感じたことを書いてみました。歌詞を見返して読んでいたら、「最愛」の世界はまるで、市川海老蔵さんと小林真央さんの日々を言い当てているように感じてしまいました。さて、「最愛」というと他にもう1曲思い出したのが、柏原芳恵さんの「最愛」でした。
この作品は1984年9月5日に柏原さんの21枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲は中島みゆきさんで、柏原さんへの提供は「春なのに」、「カムフラージュ」に次いで3作目となりました。中島みゆきさんの作品を歌うアーティストというと、研ナオコさん、桜田淳子さん、工藤静香さん、TOKIOも「宙船」がありました。これらの歌手の皆さんの歌い方は、どこかに中島さんが歌ったデモテープの余韻や残骸を感じるんですが、柏原さんの場合は良くも悪くも、歌い方に中島さんの片鱗を感じさせない、あくまでも柏原芳恵の歌を歌っているように思いました。
歌詞の世界は失恋です。港を出ていく船には、誇らしそうな最愛の彼と、彼にふさわしいきれいな女性が乗っていて、主人公の女性は港でペンを持って泣いています。その女性がデッキに出ている間に、女性は船にメッセージをお願いします。ブルーのメッセージランプは、「私には好きな相手が沢山います だからその人を幸せにしてください」という意味をこめています。「二番目に好きな人 三番目に好きな人 その人なりに愛せるでしょう でも一番に好きだったのは わたし誰にも言わないけど死ぬまで貴方」という女性の心というか情念は、男にはちょっとわからない世界かもしれません。
誰にも言わない、自分だけの「最愛」のカタチを携えて生きている女性もいるんでしょうね。ぼくは柏原さんの作品の中では「最愛」は好きな曲です。