DAM★ともで色々なアーティストの色々な作品を歌えるのが楽しいように、歌の世界も色々なジャンルの方が登場した方が視聴者としては面白いです。今から9年前の2008年、大人の歌を歌える女性歌手としてテレビに登場するようになったのが秋元順子さんです。
秋元さんは若いころから音楽活動をされていたそうですが、ご結婚を機にご主人と共にお花屋さんを経営されていました。子育てが一段落してから再び音楽活動をするようになり、57才で「マディソン郡の恋」でインディーズデビューを果たし、58才でメジャーデビューを果たしました。そして秋元さんが3枚目のシングルとして2008年1月23日に発売した「愛のままで…」は徐々にチャートの順位を上げていき、12月には初めて10位以内にランキング、その年の紅白歌合戦に61才6か月で紅白歌合戦初出場を果たしました。「アラ還(暦)の星」と称された話題性もあり、2009年1月26日に発売52週目で1位を獲得する快挙となりました。
秋元さんを最初にテレビで見た時は、シャンソンかジャズの方かなと思ったんですが、若い頃はハワイアンをされていたそうです。歌がしっかりしているというか、中低音の声質を生かした、年齢の割には伸びのある歌唱力が持ち味だと思います。「愛のままで…」をはじめ、秋元さんの作品の作詞・作曲・編曲をされているのが花岡優平さんです。花岡さんは「音つばめ」というフォークグループを組んでいて、高田みづえさんが1982年にカバーした「愛の終りに」という作品を作詞・作曲したのが花岡さんです。高田さんの作品の印税が自分の稼ぎよりもあまりにも多かったと感じた花岡さんは以後、作曲家の道に進まれるよう決意をされたそうです。
「愛のままで…」についてはよく言われることですが、大橋純子さんの「シルエット・ロマンス」と似ているという話があります。ぼくも比べて聞いたときはそう思いましたけど、似て非なるところもあるかなと思います。オリジナルである花岡さんの「愛のままで…」はギターで弾き語りして歌っていて、一方「シルエット・ロマンス」の来生たかおさんはピアノで弾き語りして歌っているんですが、ギター曲とピアノ曲ってやっぱり作曲観が違うのかなと感じます。たぶんそれが、女性のボーカリストが歌うのでかちっと編曲していくに当たって、2つの作品が近接してしまったんじゃないかなと思っています。
60才近くで歌手デビューして、紅白歌合戦に出場できるのはミラクルなことで、歌手になりたい人たちにとって一筋の道を切り開いた秋元さんの功績は大きいと思います。