DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

五番街のマリーへ

ぼくは女性ボーカリストの作品もDAM★ともで歌うことが多いですが、今まで意外に歌ったことがなかったのが高橋真梨子さんの作品でした。検索してみて、歌ってみたのが「五番街のマリーへ」という作品でした。

作詞は阿久悠さん、作曲は都倉俊一さんで、1973年10月にペドロ&カプリシャスのシングルとして発表されました。当時、ペドロ&カプリシャスの2代目ボーカルであった高橋まりさん(現在の高橋真梨子さん)が歌ってヒットしました。高橋さんは1978年にソロ歌手として独立してからもこの作品をよく歌っていて、2015年の紅白歌合戦でも歌ったそうです(ぼくは見てませんが)。

五番街(5th Avenue)とは、ニューヨークのマンハッタンを南北に縦断するアベニューです。マンハッタンは、南北の道路をAvenue、東西の道路をStreetと呼んでいます。

今のように世界の色々な都市を知る情報がそれほど多くなかった当時は、ロンドン、パリ、ニューヨークというと、外国の華やかさの代表的な都市のように日本人も感じていたと思います。五番街も、エンパイヤ・ステート・ビルとか、ロックフェラーセンターとか、プラザ・ホテルとか、ティファニーとか、富の象徴のような建物が林立しています。

ただ、それは五番街の中でもミッドタウンのイメージで、八神純子さんの「パープルタウン」はここのイメージだと思います。「五番街のマリーへ」のイメージは、マリーと暮らした家は、セントラル・パークを眺めるような高層の高級マンションではなく、お金持ちの大邸宅でもなく、セントラル・パークを少し北上したあたり、ハーレム地区のイメージがしてきます。古くからの住人たちが昔の話も知っているような、ちょっと古い町を、阿久悠さんは描きたかったような気がします。

一方、都倉さんの曲だけを聴いていると、ニューヨークというよりは、アメリカのちょっといい田舎の町を思い起こさせてくれます。むしろ、アメリカの大半の町はオールド・カントリー的な雰囲気が残っていますし、都倉さんはそれをわかっているから敢えて歌詞に合わせてみたのかなとも思いました。

高橋さんはさらっと歌っていますが、歌ってみたら、高音のところが思っていた音より半音高かったという箇所がいくつもあって、意外に難しかったです。改めて高橋さんの実力を実感しました。