DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

私だけの十字架

子供の頃は人気の刑事ドラマがいくつもありましたが、「特捜最前線」のエンディング主題歌だった「私だけの十字架」は、子供心にも物悲しさを感じさせる異色の曲でした。

歌っていたのはファウスト・チリアーノ(Fausto Cigliano)さんというイタリア人の歌手です。日本ではこの曲以外では有名ではありませんが、イタリアではカンツォーネの有名な歌手で、youtubeでもイタリアでの多くの映像をチェックすることができます。カンツォーネ(Canzone)は「歌」という意味で、イタリアの大衆歌です。その中でもナポリのものは特に、カンツォーネ・ナポレターナ(Canzone Napoletana)というそうです。チリアーノさんはギターを弾きながら、渋みのある中低音の安定した声質で歌われていまして、味があるんです。自由に開放的に歌うカンツォーネとはやや違って、イタリア版シャンソンみたいな感じかなと思いました。1937年生まれなので御年79才ですが、2000年代の頃のyoutubeの映像では変わらない歌声でした。

来日の経験があったチリアーノさんが、どういうきっかけで「私だけの十字架」を歌うことになったのかはわかりませんが、おそらく亡くなってしまった恋人をいつまでもいとしく思う歌詞の世界を切々と歌うチリアーノさんの歌声が見事に嵌ってました。作詞は尾中美千絵さんで、作詞家の山上路夫さんの奥様です。作曲は木下忠司さんで、「特捜最前線」のドラマ音楽も作られていました。編曲は青木望さんで、以前紹介した「銀河鉄道999」も青木さんの編曲です。

DAM★ともでこの曲を歌ってみましたが、同じ音程を続けて歌うところとか、コーラス毎に歌の世界が変わっていくので、表現する難しさを感じました。