DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

君色思い

2月21日、「元」SMAP中居正広さんが3月をもってジャニーズ事務所を退所することを発表しました。この「元」っていうのがぼくにはどうもなじまないんですが、中居さんも会見で、外で声をかけられるときは「SMAPの中居くんですよね?」と言われてました。1986年に14才で入所してから34年って、サラリーマンが企業に勤めるぐらいの年数ですし、その間をSMAPとして芸能界のトップランナーで活躍してきたのですから、本人が「燃え尽きた感じもして」と言われるのもわかる気がします。そして、2016年にSMAPが解散して3年余り、ジャニーズ事務所にとどまることもまた、諸事情があるとはいえ、見極める日々を過ごされてきたのではないかと思います。

中居くんって、自分の歌を下手だと言ってネタにすることが多いんですけど、ぼくは下手ではないと思いますし、逆にリーダーとしてMCで話すことが多い分、喉を使ってきたのではと思うんですね。それゆえに綺麗な声という感じではないのだと思います。そんな中居くんがイントロからソロで歌った曲が「君色思い」という曲です。

この作品は1994年1月1日にSMAPの11枚目のシングルとして発売されました。作詞・作曲は林田健司さん、編曲はCHOKKAKUさんです。SMAPはデビューしてから「1位が取れないアイドル」として苦労していました。この曲も最高5位でしたが、前作の「$10」で林田さんの作品を歌ってから、中居さんは「いい感じになってきた」と語っています。そして、SMAPの林田作品は、「$10」や「青いイナズマ」などカバーが多いんですが、「君色思い」は林田さんが「SMAPに似合うだろうと思って作った」オリジナル作品です。

いつごろなのかわかりませんが、中居さんがご自身の番組で林田さんをゲストに呼んで対談されてますが、SMAPの作品のことについても作者ならではの話も出ていました。中居さんが「君色思い以降ソロがないので、何が作ってくれませんか」と言って、林田さんが「どういう感じが?」と聞いたら、「ぼく、一生攻めていたいんですよね。守りに入りたくないんです。無難なことやってたら、無難に終わっちゃうんで」と話されたのが印象的だったんです。こういうのが中居くんの強さであり、プロ魂なんだろうなと思いました。今回の独立にしても、普通ならば番組の仕事を失うところを、継続して仕事をやっていけるとか、今までの芸能界のあり方を変える道筋をつけたと思います。もっともその先鞭は、2017年にジャニーズ事務所から独立して、事実上地上波から追放されたにもかかわらず、他のネットワークを駆使して活躍の活路を作った「新しい地図」の稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんが付けたと思います。SMAPの動画を見るたびに「このグループって凄いな」と思う魅力は今もあると思います。


君色思い