DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

ホタル花火

DAM★ともでも、YouTubeでも、カラオケ大会でも、ライブやコンサートでも、歌を聴く機会って多いんですけど、自分がお気に入りにしているアーティストさんの歌を、どうして好きになっていくのかなと考えてみると、歌の上手さとか、ステージングのかっこよさとかもありますけど、その声質が好きだなあと思うところも多分にあります。

Twitterのフォロワーさんが先月のあるとき、「この人の歌う歌を聞いて覚えている位この人の声が好き」というアーティストさんの紹介をされていて、ぼくも「宇野さんって誰?」と思いながら、その歌声を聴いて見ると、強くてストレートなかっこいい声でありながら、どこか儚げで壊れそうな雰囲気も時に感じました。こういうイケボって女子は惚れるよなあと思いながら、ぼくもこの歌声に興味を持ってしまいました。

歌声の主は宇野悠人さんという方。ぼくは存じ上げなかったんですが、18歳の頃からYouTubeにカバー動画を公開していて、2016年度のカバー動画の年間再生ランキング1位を獲得されています。そして、2017年に、俳優としても活動されているミュージシャンの平牧仁さんと、「シキドロップ」というユニットを結成し、2019年3月21日に1stミニアルバム「シキハメグル」をリリースされています。

アルバムに収録されている曲の中で、DAM★ともで歌えるのは「ホタル花火」と「さくら紅葉」の2曲でした。アルバムのインタビュー記事を読ませて頂きましたが、作品のテーマが「どうしてこんなさようなら」になったのかという思いを、ふくらませて仕上げていったということで、四季の移ろいがあるように、感情も移ろっていく、「ホタル花火」は夏を歌った曲で、「さくら紅葉」は秋を歌った曲です。

ぼくは歌う曲の食わず嫌いが結構偏っているので、歌い方も日頃自分が歌っている曲の歌い方におのずと縛られてしまっているところがありますから、新しいアーティストさんの曲を歌うのは結構苦労します。その作品が独創的であればあるほど、難度は高まっていくっていうか。シキドロップのお2人もいろいろなアーティストさんの音楽に触れてきたことをインタビューで話されていて、「ホタル花火」を初めて聴いて、どこかで聴いたことのある懐かしさを感じると思って、それで何十回も聴いていたら、松任谷由実さんが荒井由実さんだった時代の音楽のテイストを彷彿とさせるものをどこかに感じ取りました。もちろん歌の題材は今がテーマなんですけど、人生の中で成長するなかでいつか出くわすエピソードっていうか、経験みたいなものを描く普遍性っていうのは、時代を超えて共感するものがあるんだなって思いました。

それで、新しい曲への歌い方については、平牧さんが少しヒントをくださっていて、「自分の歌詞は情緒的というか、怨念がすごくこもっている歌詞なので、これを本当に情緒豊かに歌ったら、演歌の世界になっちゃうと思うんですよ。それが悠人というフィルターを通して歌うことで成立して、すごく聴きやすくなっている」ということで、あまり歌詞を深く表現しすぎない歌も1つの歌い方なんだよなあと思いました。

宇野さんは歌詞で歌を聴かないそうで、「歌詞は歌って初めて歌になるから、感じ取るものだと思うので、特に何も考えずに、出て来るものを出しています」と話されています。でもこれって、実は作品をしっかり体に浸透させた上で、魂が発する歌声を出すということでもあり、相当高いレベルの話をしているように感じました。

プロの審査員の先生が言われることの1つに「アマチュアの人は全部歌いすぎる」「歌の中には捨てる部分も作らないといけない」という言葉があって、歌の一節一節をこういうふうに、こういう歌い方で歌ってというのを研究して歌えば、研究した歌の作品はできあがりますけど、その歌が聴く人たちの心を揺さぶるかどうかはまた別物だと思うんですよね。

宇野さんのいう「言霊的な歌」はなかなか歌えませんけど、この詞の情景から発せられるセリフだと思ってぼくも歌ってみたら、初めて歌ったときよりは滑らかに歌えるようになりました。まだまだですけど。

それでも、ぼくも歌うときは、その作品の雰囲気を再現させたいと思うので、原曲キーに拘るところが結構ありますけど、「ホタル花火」も「さくら紅葉」もぼくのキーよりはかなり高いので、キーを下げて歌ってます。雰囲気を壊さないように歌えたかなと思ったら、DAM★ともに公開しようかなと思ってます。彼らの曲を公開しているユーザーさんはまだいないので、今がチャンスかなと。憧れるイケボには遠いけど、そんな雰囲気を少しでも自分の声で出せたらいいなと思います。


シキドロップ - ホタル花火 / shikidrop - Hotaru Hanabi