DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

アシタヘカエル

ぼくがDAM★ともでお気に入りにしているアーティストのCHEMISTRY。彼らが2001年に「PIECES OF A DREAM」でデビューして大ヒットしたとき、カラオケでも歌おうとしたけれど、どういうふうに歌ったらいいのか、最初はよくわかりませんでした。でもこの当時、平井堅さんがブレイクし、EXILEがデビューするなかで、日本のR&B的サウンドのヒット曲が何曲も登場するようになって、聴く耳も慣れてきて、彼らの曲を歌えるようになったような気がします。

初期のCHEMISTRYの作品は松尾潔さんがプロデュースされていたこともあって、R&Bテイストの濃い作品が続きました。これらの作品を歌っていた堂珍さんと川畑さんも結構必死な感じで歌ってましたけど、素人が歌うとなるともっと必死で、メロディーを追いかけて、慣れぬフェイクも真似てみてという感じでトライしてました。

そのうち、CHEMISTRYの作品の中にも、肩に力を入れなくても歌えそうな作品が出てくるようになりました。ぼくのなかでは「ホッとするCHEMISTRY」というカテゴリーを作ってますが、その1曲が「アシタヘカエル」という曲です。

この作品は2003年8月6日に彼らの8枚目のシングルとして発売されました。作詞は麻生哲朗さん、作曲はハマモトヒロユキさん、編曲は河野伸さんです。この作品から松尾さんのプロデュースを離れて、セルフプロデュースを開始することになりました。とはいっても、麻生さんは「PIECES OF A DREAM」の作詞を提供していて松尾さんとの作業もされてきたので、ハマモトさんも松尾さんがプロデュースしていたKさんの作品を提供していますし、それほど大きく変わった印象はありませんでした。編曲の河野さんは幅広いアーティストへの作品提供をされていますけど、後年川畑さんがソロ活動のときのカバーアルバム「ON THE WAY HOME」の中の「やさしいキスをして」や「三日月」等のアレンジをされています。それと劇伴のオリジナル・サウンドトラックの作品も多数手掛けられていて、最近ではドラマ「おっさんずラブ」も担当されました。

さて、「アシタヘカエル」のMVでは、子供が都心の町中から家に歩いて帰るシーンを描いてますけど、「アシタへ歩きながら帰ろう」っていう息遣いが感じられます。「こうしていけば いつかはちゃんと部屋に辿り着いているんだろうなあ…」っていう歌詞には、「歩いて答えを見つけていこう」という姿勢が感じられて、それはセルフプロデュースを始めたCHEMISTRYへのメッセージだったのかもしれません。「隠れていた灯りが 向こうでいま輝いたように ずっとボクが 歩けば景色だって変わってく」っていうのも好きな歌詞で、何か動いていればある時新しいことへの気づきがあって、それで人は何かを掴んで、また新しい一歩を踏み出せる、そんな気がするんです。ぼくはCHEMISTRYの作品には、日常の生活の中の悩みや葛藤といった思いを歌にしているものが多いと思っていて、それは堂珍さんや川畑さんの等身大の姿を描いていたのかもしれませんけど、聴く者にとっては共感することが多いなあと思っています。

この作品をソロで歌うときも、何か歌に技巧をつけて歌うというよりは、飾らず素直に歌った方が良さそうなんですが、同時に歌唱力が問われてしまう曲でもあって、音程や音符を正しく歌えるのが前提になりそうな気がします。それでいて、曲が奏でる優しい雰囲気も醸し出すと、ぼくが「ホッとする」と感じる歌になるんだろうなと思います。


【カラオケ】アシタヘカエル/CHEMISTRY