DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

BURN

ぼくがDAM★ともでお気に入りにしているアーティストのCHEMISTRYの堂珍さんは、THE YELLOW MONKEYのファンであることを公言しています。

「俺が16歳のころかな、バンドを組んでカバー曲を演奏するのが、先輩たちの間で流行っていたんですよ。その中でも人気だったのが、THE YELLOW MONKEY。ふだんは特別というわけじゃない先輩たちが、バンドをやることですごく輝く。その姿に憧れたのが、イエモンTHE YELLOW MONKEY)を聴くようになったきっかけです。」

堂珍さんは「太陽が燃えている」からイエモンの道に入っていったそうですが、ぼくも初めてイエモンの演奏を見たのは同じく「太陽が燃えている」だったと思います。たぶんNHKの「ポップジャム」だったかなあ。最初の印象は、グラムロックっぽいけど、多分に歌謡曲のテイストが入っていて、それに歌詞に英語がほとんど入ってなくて、日本語の歌詞として言葉を伝えているのが、何か面白いバンドだなという感じでした。

そういえば最近、イエモンの曲を歌ってなかったなあと思い出し、DAM★ともで久々に歌ってみましたが、その1曲が「BURN」という曲でした。

この作品は1997年7月24日に彼らの13枚目のシングルとして発売されました。この当時はイエモンは安定した人気を保っていた頃で、吉井和哉さんも「デビューしてからのTHE YELLOW MONKEYの頂点が、「BURN」だ」と語っているとおり、「BURN」はイエモンの代表曲です。

DAM★ともで「BURN」を歌っていると、イエモンのPVが流れましたが、ロケ地は山形県の田舎だったそうです。吉井さんは、「BURN」について、「東北とラテンを融合させる楽曲をイメージして、傷付きながらも、前に進んでいく女性をイメージして作った」そうです。PVでは新宿の高層ビル群を合間に入れつつ、田舎の蔵や古民家や原っぱで彼らが演奏しているんですけど、これが妙に合っているんです。炎=BURNなんでしょうけど、日本の原風景が東北というイメージはありますし、一方そこに生きる人たちの心の中に潜む情念っていうのもあって、それは盆踊りとか農村歌舞伎といった、地域の因習を含んだ芸能の中で体現されているような気がします。一方でラテンというと情熱的なイメージばかりがありますけど、哀愁もあるし、人間の思いを伝える意味では世界共通なんであって、融合するし調和するものなんだろうと思います。彼らは日本人として日本のロックを歌うという意識が高かったんだなあと感じます。その中で妖艶さやもどかしさを醸し出しつつ、それを歌の中で爆発させる表現っていうのに長けていたなあと思います。

堂珍さんの「ふだんは特別というわけじゃない先輩たち」が、イエモンを演奏することで輝いて見えたっていうのって、納得できます。普段は大人しそうな人が、カラオケを歌ったら豹変するっていう姿を見ることがまあまああって、そのときって日頃見せない面を、歌を通じて見せてくれるから、見ているこっちも嬉しかったりするんですよね。

歌の世界に入ると、その主人公に憑依するっていうのはあると思います。


THE YELLOW MONKEY – BURN