DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

だってしょうがないじゃない

年末から風邪をひいてしまって、喉は痛くないんですが、咳がひどい状況が続き、1月の終わりを迎えてしまいました。こういう体調の時は、カラオケで歌っていても、微妙なところが上手くいきません。声を張り上げすぎて歌うと、その音程や音量を維持できなくて、声が裏返ってしまったり、ひどいと咳が出て歌えなくなったりとかしました。

何となく、力んで声を張って歌ってしまっている習慣を振り返りつつ、逆にもっと喉を楽にして、つぶやくように、語るように歌うことがてきる曲もあるだろうと思いました。そんな時に思い出した1曲が、和田アキ子さんの「だってしょうがないじゃない」という曲でした。

この作品は1988年4月25日に和田さんの47枚目のシングルとして発売されました。作詞は川村真澄さん、作曲は馬飼野康二さん、編曲は矢島賢さんです。川村さんというと、久保田利伸さんの初期の作品である「Cry On Your Smile」や「You were mine」、渡辺美里さんの「My Revolution」への印象があったので、この作品での提供は意外でした。馬飼野さんは和田さんへの作品提供は多いんですが、有名な作品では、作曲では「古い日記」、編曲では「コーラスガール」や「今あなたに歌いたい」です。

矢島さんのお名前は初めて見たんですが、どういう方か調べてみたら、セッションギタリストとしての名声を高めた方で、長渕剛さんが「ソロギタリストで唯一頭が上がらない人物」と公言するほどだったようです。また、日本の数あるヒット曲のサウンドをまさに支えてきたともいえ、あの曲も、この曲も、矢島さんのギター演奏によるものです。山口百恵さんの「プレイバックPART2」、沢田研二さんの「憎みきれないろくでなし」、近藤真彦さんの「ハイティーン・ブギ」、中森明菜さんの「少女A」、「十戒1984)」、「サザン・ウインド」、長渕剛さんの「とんぼ」、布施明さんの「シクラメンのかほり」、野口五郎さんの「私鉄沿線」、「グッド・ラック」…。

さて、和田アキ子さんの「だってしょうがないじゃない」は、作家の皆さんの上に挙げた他の作品とはイメージが異なる、都会の大人のポップスに仕上がっていて、ぼくはイントロのアレンジを聴くと、都会の雑踏とか交差点とかを想像しました。当時の渋谷駅前のスクランブル交差点とか。ただ、この作品の歌詞には関西弁が入ってます。「何度ほれてみたって 恋だけはアホやね」とか、「ずっとこのままなんて あかんと思うでしょ」とか。それなら心斎橋あたりか本町なのかも。

和田さんのイメージというと、「あの鐘を鳴らすのはあなた」みたいな、パワフルに歌い上げるイメージが多いと思いますけど、バラードではない和田さんの作品にも隠れた魅力があると思います。この作品は押し付けがましくなくて、言葉とサウンドがすっと心の中に入っていく感じがしたので、ぼくはこの作品がヒットする前から何となくカラオケで歌うことがありました。ぼくと年代も違うし、女性の歌なんですけど、周りの人からは「いい曲だね」という印象だったようです。

この作品はオリコンでは最高25位ですが、1988年から1989年にかけてのロングヒットとなり、100位以内に52週登場するロングセラーとなりました。NHK紅白歌合戦でも、和田さんは1988年・1989年と2年連続でこの作品を歌唱しています。こういう路線の作品を歌い続けていたら、越路吹雪さんの後継者となっていたかもと思います。


だってしょうがないじゃない・和田アキ子ベストコレクションlyrics VideoCrip