DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

サボテン

クリスマスの時期になると、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」のようなクリスマス定番曲をよく聴くようになります。ただ、ぼくはこういう曲を聴いても、あまりクリスマスという感じはしなくて、むしろ、12月にリリースしたアーティストの曲を聴くと、歌詞に冬は特に感じなくても、12月のイメージを思い出します。そういう1曲がポルノグラフィティの「サボテン」です。

この作品は2000年12月6日に彼らの5枚目のシングルとして発売されました。作詞はハルイチ新藤晴一)さん、作曲は当時メンバーだったシラタマ(現在Tama)さん、編曲はak.homma本間昭光)さんです。

ぼくが初めてこの曲を聴いたのは、当時の人気音楽番組「HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP」のクリスマス特番で、ポルノグラフィティが屋外の中継で歌ってました。その寒空に、「サボテン」の歌詞も曲もしっくりと合っていたように思ったんです。

デビュー曲の「アポロ」からどちらかというと派手めな作品が続いていたので、ここで「サボテン」を聴いて、「こういう作品も作るんだ」と思いましたが、元々「サボテン」はインディーズ時代からあった曲で、デビュー曲の候補にもなっていたそうです。ただ、そのときは「この曲はみんなが聴いてくれる一番良い時期に出そう」ということになったため、「アポロ」がデビュー曲になりました。そして、「サウダージ」が大ヒットして、紅白歌合戦への初出場が決まった2000年12月に、「サボテン」が発売されました。そして、オリコンでも初登場1位を初めて取ることができました。

歌詞はハルイチさんが彼女の部屋で書いたときに、窓際にサボテンが置いてあったことがモチーフになっています。主人公は恋人という関係に馴れあいになってしまい、彼女が側にいてくれることも、惜しみない愛にも、顧みることもなくなっていて、彼女は雨の中どこかに行ってしまいます。彼女が水をあげていたサボテン。触れてみると指先にやわらかいトゲが刺さって、彼女が見せたささやかなサインが今頃わかります。ただ面白いのは失恋ソングのままでは終わらず、歌詞の最後は「僕の気持ちみつかった 僕らきっとうまくやれるはず ほら、薄日もさしてきた 小さな花を咲かそう」と、関係をやり直そうと前向きな気持ちで終わらせているところで、こういうところが共感を呼んだのかなと思います。喧嘩のあとでそのまま別れるか、やり直せるかはそれまでの2人の関係の中身が問われるものなんですよね。


【ANN】サボテン【生歌】