DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

愛が生まれた日

昭和の時代から、男女デュエットのヒット曲は数多くありますが、幅広い世代に今も歌われている1曲が、藤谷美和子さん・大内義昭さんの「愛が生まれた日」です。

この作品は、藤谷さんが主演のドラマ「そのうち結婚する君へ」の挿入歌として、1994年2月21日に発売されました。女優の藤谷さんにとってはこの作品が歌手としてのデビューシングルでした。大内さんは小比類巻かほるさんの「City Hunter~愛よ消えないで」や「Hold On Me」などの作曲提供で知られていました。藤谷さんのデュエット相手は当初、当時のロックバンドJUSTY-NUSTYのRODこと藤崎賢一さんにオファーがあったそうですが、その後、大内さんに決まったそうです。この作品の作詞は秋元康さん、作曲は羽場仁志さん、編曲は萩田光雄さんですが、大内さんは「こんな歌謡曲みたいなのが売れるわけがない」と思ったそうです。ただ「あの藤谷美和子に会えるのなら」と思って受けたそうです。ところがこの作品はじわじわとチャートを上り、最高位は5位でしたが、16週に亘って10位以内にとどまり、100万枚を超える大ヒット曲となりました。年末にかけては賞レースにも参加することになり、日本有線大賞の最優秀新人賞、全日本有線放送大賞ではグランプリと最優秀新人賞の2冠、日本レコード大賞の優秀作品賞などを受賞、その年の紅白歌合戦にも初出場でこの作品を披露しました。

藤谷さんというと「ぷっつん女優」という異名もありましたが、歌手としての藤谷さんは女優の片手間ではなくて、歌手としての姿勢で歌っていたように思います。大内さんも藤谷さんについて「事前に聞いていた面白いエピソードとは違って、常識的で普通に接してくださる方だった」ということです。他人の噂なんてあてにならないわけで、意外と真っ当に行動している人が、単刀直入に意見を言ったりすると、「あの人はわがままだ」とか「ちょっとおかしい」とか話を膨らます人たちがいますからね。

デュエットの相手に大内さんが選ばれたのは、あの高くて繊細な声質が、藤谷さんのまっすぐな声には調和したからなんだと思います。藤崎さんの太めな声質だと、藤谷さんとはぶつかってしまうなあと思います。「愛が生まれた日」はハモリやすい曲ではあるんですが、大内さんパートは高音の部分が多くて、そこは声を張ってやらないといけないです。

大内さんはその後2015年に55才の若さで亡くなられました。藤谷さんは2005年に結婚後芸能活動をされていません。ご病気との話もありますが、まだ54才。演じてみたいなあと思ったら、1シーンだけでも出てきてお芝居をして欲しいなあと思います。


藤谷美和子 & 大内義昭 愛が生まれた日 19941231