DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

$10

SMAPの活動を振り返るなかで、彼らのターニングポイントとなった作品が「$10」(テンダラーズ)であったと思います。この作品はもともと林田健司さんが1992年に発売した2枚目のアルバム「Unbalance RAPHLES Ⅱ」に収録されていました。林田さんの当時の作品はカッコよさをとことん追求してるなあと感じるものが多くて、「$10」もダンスミュージック全開で、ファンキーでぶっとぶ感じで林田さんが歌っています。SMAPは仕事で林田さんの作品を歌う機会が多かったようで、森くんが林田さんの作品がお気に入りで、「$10」もSMAPのステージでは森くんがソロで歌っていたらしいです。好きが高じて、結局SMAPが1992年5月に10枚目のシングルとして「$10」を発売しました。作詞も作曲も編曲も全部林田さんなのかなと思っていたら、作詞は林田さんと森浩美さん、作曲は林田さん、編曲は林田さんとCHOKKAKUさんだったんですね。

歌詞の世界は当時の世の中のメッシー君やアッシー君を彷彿とさせます。ミツグ君も当時はいました。「愛さえなんてあれば 何も要らないなんて 全部ウソさ C-10 dollars」「どうして愛はお金がかかるんだろう?Oh 抱きあうだけじゃダメ」「僕のふところにはわずかなMoney 破産しそうな C-10 dollars」お金がないと、愛も続かないのが、特に1990年代の前半はそんな雰囲気、バブルな空気感が充満していました。

後に中居くんと林田さんが何かの番組で当時を振り返っていて、中居くんは「SMAPが売れてきた」と実感してきたし、林田さんのおかげでSMAPは大きく成長したと言いたかったようでした。SMAPから見たら、あんなにカッコよく歌っている林田さんの曲を自分たちがカバーすることには、俺たちにできるのかなという若干の思いがあったようです。でも林田さんは「SMAPには合うと思いました」というんですね。結構2人のこの対談は興味深い内容がありましたが、林田さんは最初ロックから入ったんですが、自分の音楽を作っていって「平たい」ことを感じ、ダンスミュージックを追い求めるようになり、踊れるものが欲しいと思っていたそうです。林田さんは、アメリカのロックバンドであるKISSのファンだそうで、来日の度にコンサートに行かれるそうですが、彼らの音楽を「ロックだけど、結構ポップス」と評していました。林田さんが目指している音楽との親和性が、SMAPが踊って歌う姿と重なったんだろうと思います。