DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

冬の色

山口百恵さんの作品は、1980年(昭和55年)10月15日に彼女が芸能界を引退してから36年余り経った今でも、多くの人たちに歌われています。「冬の色」は1974年12月10日に発売されたシングルで、作詞は千家和也さん、作曲は都倉俊一さんという、デビュー以来百恵さんのシングルを提供してきたコンビです。この作品で初めて百恵さんはオリコン1位を取ることができました。百恵さんはデビュー当初はなかなか芽が出ず、アイドルが歌うにしては大胆な、性的な歌詞を歌っていくことに活路を見いだし、「ひと夏の経験」が大ヒットして、1974年の紅白歌合戦に初出場しました。そういう曲を歌っている百恵さんは当時15才でしたが、全くいやらしい雰囲気はなく、落ち着いた雰囲気で等身大で常に歌っていました。この落ち着きぶりは、ホリプロやCBSソニーのイメージ戦略もあったでしょうが、やはり彼女が備えている心の安定さから醸し出されたものだろうと思います。

「冬の色」の歌詞も、「ひと夏の経験」の路線を続けていますが、大胆な歌詞ではなく、男性を愛する女性のけなげな気持ちが綴られています。都倉さんの作曲も、素直な女性の気持ちを引き出すためか、Aメロ→Aメロ→サビB→サビC→Aメロと、奇をてらわない、オーソドックスな曲の構成に仕上げています。ぼくも歌ってみましたが、すっと歌いやすいですが、百恵さんの歌い方を見習って、感情を入れすぎず、せつせつと語るように歌っていくといい感じになると思います。

百恵さんはその後、「横須賀ストーリー」、「秋桜」、「いい日旅立ち」といった名曲を歌える歌手になっていきましたが、その原点だったのがこの「冬の色」だったと思います。