DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

燃える秋

秋を歌った曲は数多くありますが、ちょっとレアな曲を探していたところ、思い出して歌ったのが、ハイ・ファイ・セットの「燃える秋」という曲です。1978年の発売で、作詞は五木寛之さん、作曲は武満徹さんという異色の超大物コンビでした。1979年には同名の映画が公開されました。映画製作には三越が関わっていたようで、主演は当時三越のCMをしていた栗原小巻さんを予定していましたが、他の仕事の都合がつかず、抜擢されたのが当時の若手女優の真野響子さんでした。こう書いてみたものの、当時子供だったので、映画のことは全く知りません。

ハイ・ファイ・セットというと「フィーリング」で一躍有名になりましたが、当時のフォークやニュー・ミュージックの歌手は、従来の歌手に比べて舞台でもラフな格好で歌っている人が多かった中で、ハイ・ファイ・セットはおしゃれな服装で歌っていました。だからなのか、都会の洗練された雰囲気を持ったグループという印象でした。生歌で「卒業写真」を聴いたときは、美しいコーラスに感動したのを思い出しました。「スカイ・レストラン」とか「土曜の夜は羽田に来るの」は好きな曲です。「燃える秋」はyoutubeで、当時の人気汰番組「夜のヒットスタジオ」で歌っているシーンを見ました。ボーカルの山本潤子さんのあの声質が何となく存在感を際立たせていて、そこに山本さんと大川さんのコーラスがマッチして、曲が一層映えてくるんですね。1人で歌うのはやはり何かが足りなかった気がしました。

五木寛之さんは作詞家として多くの作品を歌手に提供しています。演歌はあまり聴かないんですけど、歌手の田川寿美さんに提供した「女人高野」と「雑草の泪」は個人的にはいい曲だなと思います。田川さんのファンには路線変更かと不評だったらしいですが。

武満徹さんは日本の作曲家として、日本よりは世界での評価が高い方でした。武満さんの本職は現代音楽だったんですが、いわゆるクラシックの世界にとどまることなく、テレビや映画の音楽にも曲を提供するような、音楽の広いウィングを持っていました。ぼくはNHKで1981年から放送され、吉永小百合さんが主演されたドラマ「夢千代日記」のオープニングテーマがとても印象に残っています。このドラマがその後続編も作られ、映画化もされるほどになったきっかけは、ドラマの重厚な脇役の役者たちの達者な演技もさることながら、オープニングテーマのあのイントロで、視聴者はドラマの世界にすっと入っていけたのではないかと思います。