DAM★とも&アウフヘーベン

DAM★ともで公開した曲について感じたことを書いていきます。

歌唱キャンペーン

3月20日、ぼくは東京都北区の赤羽駅近くにある、ミュージックショップ赤羽美声堂さんで行われた、演歌歌手の小川たけるさんの歌唱キャンペーンに行ってきました。

赤羽美声堂さんは町のレコード屋さんですが、有名な歌手の皆さんが歌唱キャンペーンで来られる有名店です。この日は祝日でしたので、行ってみようと思いました。

最寄りの赤羽駅はJRの京浜東北線東北本線埼京線が通っていて、乗り換えで利用したことはありましたが、降りるのは初めてでした。思っていた以上に駅ナカのお店が多くて、ホームから改札に着くまで意外に時間がかかりました。

改札を出て右側の東口に出て、道なりに進んで次の交差点を渡ると、LaLaガーデンという商店街のアーケードがあり、数分歩いた右側に赤羽美声堂がありました。

この日は店内に20席ほどの椅子が並んでいて、既にお客さんが座っていました。店主の奥さまに「予約していませんけど、入れますか」と言うと、「大丈夫ですよ。1枚応援して頂けますか」と言われて、小川さんの「陽炎」のCDを買って、1席追加で用意して頂けました。

お客さんの大半は小川さんのファンの女性の皆さんでした。男性の方はぼくを含めて3名。歌唱キャンペーンということで、お店も小川さんのCDに収録されている「陽炎」「神戸恋みなと」「ふるさとのきみへ」をヘビロテで流していました。

ぼくは昨年の9月頃、たまたまYouTubeで曲を聴いていたら、おすすめで「陽炎」が出てきたので初めて聴いてみたら、「いい曲だ!歌ってみたい」と思って、DAM★ともで歌ってみるようになりました。歌ってみていい感じだなと思ったので、3月に行われた第7回音ノ市カラオケコンサートではこの曲でエントリーしました。そういう中で、2月に行われた「メンズでえ〜んか!」というイベントに、小川さんが出演され、カラオケ発表会もあると知ったので申し込み、ホールで初めて「陽炎」を歌ってみて、歌い終わったところで小川さんご本人が来てくださるという嬉しいサプライズもありました。そういうご縁があったこともあり、東京でのキャンペーンでお会いできる予定を探していましたが、この日がチャンスと思い来てみました。

15:00から小川さんの歌唱キャンペーンが始まりました。1曲目は西城秀樹さんの「傷だらけのローラ」と意外な選曲。キャンペーンだから自分の曲を歌うのかなと思っていました。「ローラ」の「ラ」は伸ばしすぎない方がいいかなと思いながらも、自分の歌唱スタイルにまとめているのはプロだと思いました。2曲目は小川さんが作詞・作曲した「神戸恋みなと」。ここで著作権印税の話をされて、どこの地域で歌われているのがわかるという話が興味深かったです。3曲目は舟木一夫さんの「高校三年生」。小川さんは客席の1人1人に握手をしながら回っていきました。そういうときにファンの方は小川さんにプレゼントを渡しているんですね。先日のメンズでえ〜んか!の時にも多く目にした光景でした。小川さんはさらに、店の外で見ていた10人くらいの方にも歌いながら握手をされていました。「選挙みたい」とも思いましたが、選挙活動と営業活動は似ているところがあり、選挙の場合は握手して指示を得ていく経験が多いらしく、歌唱キャンペーンでも積極的な姿勢は大切なことを目の当たりにしました。4曲目は岸千恵子さんの「千恵っ子よされ」。これも意外な選曲ですけど、場を盛り上げるために選んだのかなと思いました。キャンペーンは通常20分くらいらしく、5曲目が、ぼくのお目当てだった「陽炎」。原案は小川さんが26才の頃に書いたものと話されていました。振付を入れながらの歌唱は気合が入っていました。もう1曲アンコールで尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」。この後はサイン会とツーショット写真の時間になりました。ぼくもサインを頂くときにマスクを外して小川さんと顔をあわせたら、ぼくのことを思い出したようで、「めちゃめちゃ上手かったですよね」と言われたので、「今月のカラオケ大会でも陽炎で賞を頂けました」と話すと喜んで頂けました。周りの方も聞いていたらしく、レコード会社の方やファンの方にも「あの時私も聴いていました」と声をかけて頂きました。

こうして赤羽美声堂での歌唱キャンペーンを後にしましたが、自分の歌を届ける努力の大切さを実感しました。小川さんの歌唱力とかイケメンなルックスも魅力だと思いますけど、話し方が爽やかというだけでなく、とっさの機転も気遣いもできる対応とか、人柄も好きだからこそファンの方は応援しているんだろうなと思いました。現場での歌を通じてのコミュニケーションは演歌歌手に限らず、ぼくが交流させて頂いているボーカリストさんも状況は同じだと思いました。SNSの交流とはまた違った、現場での歌唱キャンペーンの交流の良さを実感しました。

ぬくもり

ぼくは歌ってみたい曲があったら、YouTubeでその曲を検索して、何回も繰り返し聴くようにしています。そういう中で、YouTubeの方も、ぼくの選曲の傾向を学習して、おすすめの曲をランダムに入れてきたりします。おすすめの曲は、出会えるチャンスも一期一会と思うので、大抵の場合聴いてみます。1コーラスくらい聴いてみて、あまりピンとこなかったときはそこで終了しますが、「これはいい曲かも」と思ったときは、その後も繰り返して聴くようになります。

川崎鷹也さんの「カレンダー」という曲を練習して、歌会でも歌ってみた後の頃、YouTubeがすすめてきた曲が「ぬくもり」という曲でした。川崎さんの深みのある中低音がビンビン耳に響いてきて、初見でお気に入りの曲になって、DAM★ともでもさっそく歌ってみて、録音も投稿してみました。

この作品は2023年6月14日に発売された3枚目のオリジナルアルバム「ぬくもり」のタイトル曲として収録されています。川崎さんがYouTubeの「ぬくもり」の動画に次のコメントを寄せていました。

会いたい人に会えなくなった時期があって、そんな時に『ぬくもり』とは一体なんだろうと考える時間が多くありました。離れていても相手のことを想い、それだけで幸せな気持ちになれること、そう思える人が1人でもいることが『ぬくもり』そのものなんじゃないかと思いました。この楽曲は電話ひとつで繋がりながら、お互いの温度やぬくもりを感じられるようにと願いを込めて書いた楽曲です。MVはアニメーションとなっていて、マグカップからの湯気や空の色、時間による変化が曲と共に移り変わる様子を描いております。細部までこだわったストーリーをぜひ体感して頂けると嬉しいです。

この曲の歌詞は、深夜の電話ごしに繋がっている主人公と相手が、午前二時、午前三時、午前四時と時間を共有している様子を書いていて、MVも歌詞に忠実に、歌の世界を描いています。そのため、歌っていくときも場面のイメージが作りやすかったです。

一方、歌い方としてはまずは川崎鷹也さんご本人様の歌い方をまねようとしていきますが、アコギで作った曲って、やっぱり自分がギターを弾いて歌っている気持ちにならないと、単調な歌になってしまいます。リズムの取り方とか言葉のアクセント1つで、歌の持ち味が変わっていくんだと感じました。

今までも何回か書いていますが、ボイストレーニングのレッスンの時に、先生から何かゆっくりめの歌を歌って欲しいと言われて、咄嗟に「歌い始めたばかりの曲ですが」と言って選んでしまったのが「ぬくもり」でした。まだ練習してこれから成長させていく曲だから、何言われてもいいかなと思い歌ってみたら、先生から「歌上手いし、非常に歌心がありますよね」と感想を言われて、少し驚きましたが、この曲は自分に合っているかもしれないと感じました。

そして、先生から言われたことが、この歌の歌詞はどういう人物で、歌詞の言葉にどういうイメージを持っているのか、ぼくにいろいろと質問してきました。小説だと人物描写を文字で詳しく書いていきますが、歌の場合は歌詞の文字数が限られているので、その背景を掘り下げていくと、歌に深みが増しますよ、とのアドバイスをして頂きました。

芝居でいうと、セリフ以外のト書き部分になりますし、歌だと、その言葉を発するまでの心の葛藤なのかなって思います。

そういう気持ちを忘れずにカラオケで歌ったら、点数が伸びて、抑揚の点数が伸びました。シンプルなメロディーの曲なので、表現力が歌を左右すると思います。歌い始めた頃は声も固い感じでしたが、最近は柔らかくなった気がしています。まだまだ自分の伸び代があると信じていきます。


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自分の理想の声

3月12日、体験レッスンから始まったぼくのボイストレーニングも今日で3回目になりました。ぼくは今まで、単発の体験レッスンを除くと、歌うことについて先生のレッスンを受けたことがありませんでした。だから、レッスンの受け方とか、先生とどう接したらいいのかとか、わからないことも多くて、毎回その場で手探りな感じです。

レッスンの予約時間の40分前ぐらいに最寄りの駅に着いて、駅前のカフェでコーヒーを飲みながら、前回までのレッスンで受けた話を振り返り、それを踏まえて今日はどういう時間を作っていこうかなと考えます。

カラオケ大会で優勝したいから、という気持ちでボイストレーニングを受けようと思ったことはありません。自分で歌いたいと思って選んだ楽曲を、カラオケで何十回以上も練習して、原曲もほぼ毎日聴いて、オリジナルの歌手の歌い方も着目して、自分の歌い方を決めていくという作業は、自分で考えながらやってきました。そのやり方が正しいのかはわかりませんけど、自分が思った歌い方でカラオケ大会に臨んで、審査員の先生からのコメントを読んだり、時々賞を頂くこともあったりすると、方向はそれほど間違ってはいないのかなと思います。

でも、もっと高音域のある楽曲をカラオケ大会で選んで歌いたいと思うこともあります。ぼくの場合は高音域のファルセットは出ますけど、厚みのある高音が出せないので、結局原曲キーを思いっきり下げて歌うことになります。自分に最適なキーを選んで歌うことは大切なことだと思いますが、単純に音響感のある高音で歌って楽しみたくて、そこに辿り着くためには、声楽の専門知識がないぼくが独学でやるのは無理ですから、ボイストレーナーの先生の知恵を頼ってみようと思いました。

ぼくがボイストレーニングのレッスンを受けてみて感じていることですが、歌が上手くなるというゴールはあるにせよ、直接的には自分の体の特徴を知って、なぜその声になるのかを検討して、改善を進めていく場所だなと思いました。月1回、ボイストレーナーの先生に自分を診断してもらうクリニックのような存在だなと感じています。

レッスンを受けているだけで終わってしまったら、正直その効果はほとんどないのかなと思います。ぼくの場合はカラオケで歌う回数が多くありますので、レッスンでの話を実践に取り入れて確認してみることができますので、レッスン以外の日常活動での確認の繰り返しが大切なのかなと思います。

先生のリアクションを見ていると、ぼくの声は徐々に変わってきているらしいです。ぼく自身はそこまではっきりとは認識できていませんけど、アドバイスを受けたことに集中して歌ってみると、出した声の色合いが深かったり柔らかかったり、いい感じになるのはわかります。その集中力を楽曲の時間ずっと維持できるか、ここも大事だなと思いました。

先生から「ゆっくりめの曲で何か歌ってもらえますか」と言われて、最近歌い始めたばかりの川崎鷹也さんの「ぬくもり」という楽曲を前回歌ったためなのか、今回も「ぬくもり」を歌うことになりました。昨日、カラオケで1コーラス歌ってみたら、点数も一気に上がりましたし、抑揚の点数も上がりました。何で上がったのか、原因が見えていませんけど、ボイストレーニングの効果は何かあったのならいいのかなと思います。

自分の理想の声は何だろう。低音域も高音域も幅広く、中音域と同じような深みや厚みのある声が出せるというのは技術的な面ですけど、歌って言葉を心で伝えていくものだと思いますので、楽曲が描く情景を思い浮かべてもらえる声が、ぼくにとっての理想の声だと思います。

第7回音ノ市カラオケコンサート③

Bクラスベテランの部は70組がエントリー。Aクラススペシャルの部のように事前の音源審査を受けなくてもよくて、審査員の歌唱審査も受けられるので、Aクラスの参加者と同レベルの歌唱力がある方も多く出場されています。

こういう大会だとAクラスは上級で、Bクラスは中級で、Cクラスは初級みたいな見方をしがちで、確かにその見方の面もありますけど、ぼくが5回聴いた経験からみると、どのクラスにも上級の歌唱をされる方はいらっしゃいます。ぼくがクラスの差を感じるのは、この大会に対する向き合い方の強さとか熱意なのかなと思います。

大会のスケジュールに従って動くので、参加の方の歌を聴くのはホールの客席以外でという場合もあります。ロビーのテレビで聴く場合もありますけど、ここで惹きつける歌唱をした方は割と上位で入賞している気がします。今日もぼくがロビーのテレビで見て引き寄せられる歌唱をしていると思った方はBクラスの1位でしたし、楽屋の声出し部屋で聴いた楽曲の雰囲気に合っていた歌唱と思った方はBクラスの2位でした。

Bクラスの方の歌唱も、選んだ楽曲やアーティストへの思いが強いということもわかりますし、基本は歌が上手い方ばかり参加されています。Aクラスとの差があるとすれば、細かいところのフレーズの処理とか、自分なりの歌のアピールとか、トータルとしての自分の歌唱を俯瞰するとか、あるにはありますけど、思いっきり楽しく歌う方が今回は少ないように感じました。

Bクラスの歌唱も終盤に来たところで、Aクラスに出場するぼくは楽屋の声出し部屋へ。部屋にいた数人の方がガチで声出しをしていて圧倒されました。でも、前回のぼくは声出しをやりすぎて本番で失敗したので、歌いたい気持ちを抑えて、楽屋の電波状況が悪かったので、いったんホールの外に行って、動画を聴きながら、ここで初めて思いっきり本番モードで声を出してみました。

今回ぼくが選んだ楽曲は、小川たけるさんの「陽炎〜KAGEROW〜」という、ロックテイストな演歌でした。女性の主人公が心に渦巻く感情を表現する作品で、小川さんも振付での表現を上手く使われていました。鏡貼りの練習室で、大きな振りはできないけど、歌の世界を表現する上で入れたら面白いかなと思う振付を確認しました。

舞台袖に来て歌の順番を待ちました。ぼくは綺麗事じゃなくて、カラオケ大会で勝とうと思って歌おうとは思いません。そんな下心があって臨んだ歌唱の時は入賞できませんでしたから。ぼくの場合は選んだ曲が世の中では知られていないことが多いので、初めてこの楽曲を聴く客席の方にどうやって伝えて知ってもらえるか、それを自分の実力でどこまで表現できるか、そこを一生懸命やろうと思いました。

そしてぼくの歌う時が始まりました。ステージ中央まで行って、審査員の先生方に挨拶してから、ステージの正面を向いて、右手で軽く振りを入れて第一声へ。抑え気味に歌う声もうまくマイクに乗って響いていたので、出だしも順調。ぼくはあまり感情を入れすぎないようにいつもは歌うことが多いのですけど、今回は歌詞の内容を踏まえて、ややオーバーアクションかなと思うくらいに2コーラスの約4分、日頃の練習よりも思いっきり歌えました。

歌い終わって、歌仲間の方から「素晴らしかったですよ、本当に」と言われました。あまりやらない歌い方なので、結果がどう出るかわからなかったので、少し安心しました。その後も音ノ市優勝者の矢島さんからは「ちょっと、優勝じゃない!新たな一面を見せましたよね」と絶賛されました。心の優勝が頂けただけでも嬉しかったです。このあたりでもしかしたら入賞できるかもしれないと思いました。

Aクラスは約40組が出場。他の大会での優勝、入賞経験者が名を連ねている激戦の舞台です。カラオケ大会って、それぞれの大会の審査員の中にテーマがある感じで、そのテーマに寄り添えたかどうかで、入賞するかが決まるように思います。

いろいろなジャンルの楽曲が披露される中で、歌唱力に参加者の差がほぼないハイレベルとなると、些細なミスとか違和感で僅差が生まれますし、いわゆる上手いだけの歌よりどれだけ上に行けるかというところが、最近の大会では着眼点になっていると思います。

審査員の先生の総評でも、音程と発声がどの音でもきちんとできているかを細かくチェックした、歌にどれだけ気持ちの表現を乗せられたか、ここで差がはっきりと出た話をしていました。

審査結果が発表され、ぼくは第6位ということでtvk賞を頂くことができました。前々回、前回と表彰のステージに上がれなかった悔しさから、今日再び表彰のステージに上がれたことが何よりも心の底から嬉しくて、笑顔で賞状と副賞を受け取ることができました。

帰りの電車の中で、審査員の方々のコメントを読みました。前回指摘を受けた発声はとても明瞭に伝わった。楽曲の世界観をしっかりと理解して、想いが伝わってきて、とても良かった。とても素晴らしい歌唱で感動した。思いもよらぬ高い評価で戸惑いました。歌の世界は「とても」という言葉がもらえると、今日の歌は良かったんだなというのを自覚できるのです。

第7回音ノ市カラオケコンサート②

ゲスト歌唱の方のリハーサルが終わって、11時に海老名市文化会館大ホールが開場となりました。毎回ぼくが座るのは、ステージを正面に見て、前方の右側が多いです。この席だと、対角線上に舞台袖で待っている、歌う前の出演者の姿を見ることができますし、ステージ上の審査員の方々も近い距離で見ることができます。それと、音響の感覚、歌声がどういう感じで反響しているのかを見やすいからということもあります。

オープニングは審査員でもあるジャズシンガーのヒデ平島さんの恒例の歌唱。ぼくはジャズの知識はありませんけど、余裕を持って自分のペースで歌われている姿を見て、ぼく自身も心にゆとりを持って歌わないとなって、毎回思うひとときです。

続いては、Cクラスの発表の部の歌唱。この大会は発表の部の参加者が非常に少なくて、毎回6組〜10組程度。審査員の審査はありませんけど、大きなホールで審査を気にせず歌ってみたい方にはお勧めです。

Cクラスの後は、歴代の音ノ市優勝者3人によるフルコーラスの歌唱。歌唱一覧にはSクラスの文字。ぼくもAクラスで優勝して、Sクラスの人になりたい。第3回優勝のミケルさんは、自身で作詞作曲されたオリジナル曲を披露。ちょっと客席の人たちにはわかりづらい楽曲だったかも。続いて、第2回優勝の大塚英一さんも、オリジナル曲を披露。大塚さんとはぼくもカラオケ大会でご一緒する機会があって、ぼくの歌も聴いてくださる先輩ですけど、中低音のいい声の安定感と緩急の付け方が毎回冴えていると思いながら聴きました。最後は、第5回優勝の矢島留美子さんは「すずめ」を歌唱。華やかな衣装もさることながら、歌唱全体を通じての構成が惹きつけるものがあるので、ステージとして映えているなと感じました。

この後、Bクラスベテランの部の歌唱が始まったのですが、ぼくはここでいったんホールの外に出て、お昼ご飯も兼ねながら、海老名の駅前の街をぶらぶらと散歩することにしました。

カラオケ大会に来ているのに、歌も聴かないで、何で外へ出かけるのかと言われそうなんですけど、客席でお1人お1人の歌をしっかりと聴いていると、それぞれの歌の世界にはまってしまって、自分の歌を忘れそうになってしまうんです。そのため、自分を取り戻すため、いったん歌の世界から離れることにしました。

第5回、第6回では入賞できなかった自分を振り返ると、余りに歌を完璧に仕上げることに焦って、必死になりすぎていたと反省していました。もう少し、心にゆとりをもった時間を当日過ごしてもいいんじゃないかと思ったのです。

この日の海老名駅前の広場ではキッチンカーが何台も並んで、イベントをやっていました。その一角では、高校生の女の子がライブということで何曲も歌っていました。客席には10人程の方が座っていました。その近くのベンチに座って、ぼくも軽いお昼ご飯。カラオケ大会の当日はがっつりご飯を食べたいと思わないので、いつも買ってきて食べるのが、セブンイレブンのコロッケパン。結構腹持ちがよくて、1個食べて割と満足します。それと、このコロッケパンを食べると入賞できることが多いので、1つのゲン担ぎみたいなものです。ライブで歌っている女の子の姿を見ながら、ぼくも自分の歌を客席にどうやって伝えたらいいのかなと考えながら、今日歌う曲のYouTube動画をイヤホンで聴きながら確認。

晴れた日の外をぶらぶらと散歩していると、気分転換にもなりました。いつものように長時間張り詰めた気持ちでいなくてもいいんだとわかりました。近くの山並みもいい景色なので、近くの歩道橋を上まで登って眺めました。そして、山並みから視線を近くに移して見えたのは海老名市文化会館の大ホール。ぼくが楽しむ場所はあそこなんだと改めて思いました。

いつもと違う道を歩いて海老名市文化会館に戻りましたが、大ホール以外の施設の方へも歩いてみると、小ホールでは子供たちのイベントが終わったばかりのようでした。その近くにあったカフェに入って、アップルタルトとアメリカンコーヒーを食べながら、本番までの行動を計画しました。思えば、前回と前々回は、出番までの長時間を、心の焦りもあって声出しとか歌のチェックをひたすらやってましたけど、事前に歌いすぎていたら、本番で声も出なくなるの当たり前だよなあと、バカな自分を振り返りました。

練習はしっかりとやってきたのだから、心配する必要はない。自分の実力をしっかりと出せるためにはどう過ごしたらよいかと考えたのが、今までやったことがない楽しみ方を体験しようということでした。

そんな心を和らげる時間を済ませたので、再び大ホールに戻って、参加の方の歌を聴くことにしました。この続きは、明日以降に書きます。

第7回音ノ市カラオケコンサート①

3月3日、ぼくは神奈川県海老名市の海老名市文化会館大ホールで行われた、第7回音ノ市カラオケコンサートに行って、歌ってきました。

ぼくはホールで歌うのが好きなので、音ノ市カラオケコンサートも「大ホールで歌いたい!」というだけで申し込みました。初めて参加した第3回では最優秀歌唱賞を頂き、次の第4回も最優秀歌唱賞を頂けたものの、第5回と第6回は入賞できませんでした。特に前回の第6回では当日の調整を失敗して、本番で声が思うように出ないという悔しい思いをしました。

もう一度、フラットな気持ちで第7回に臨もうというのが、ぼくの中のテーマでした。カラオケ大会に出場できるようにするために、仕事やその他の予定を調整したり、何ヶ月も楽曲を練習したり、できる努力をしているのはいいのだけれど、一方で余りにその目的だけに心を絞りすぎて、ギスギスしていたのかな、追い込みすぎていたのかなって思うところがありました。せっかく確保した1日を今までとは違った形で楽しんでみようと思いました。

当日の朝、小田急線の新宿駅を8:00に出発するロマンスカーに乗って海老名までの時間の車窓を楽しむのは、毎回のお約束です。よく晴れた朝なので、多摩川の風景も爽やかでした。海老名駅を降りると、いつもは声出しのためにビッグエコーにすぐ向かうのですが、今回はその前に海老名駅前のお店をぶらぶらと散歩してみました。結構いろいろなお店があるんだなって、海老名駅で何回も降りているのに初めて気づきました。いちごパフェ、食べたかったなって思いながらビッグエコーへ到着。声を目覚めさせるために、1時間声出し。ドリンクを取りに行ったら、歌仲間の方とすれ違ってご挨拶。前回の反省もあるので、歌いすぎないようにしながら、抑揚の出し方を中心にチェックしました。ビッグエコーを出てから、再び海老名駅前のお店をぶらぶら。駅前の「ロマンスカーミュージアム」は後で行こうかなと思っていましたが、子供連れの家族で行列ができていたので諦めました。

会場の海老名市文化会館に到着し、受付を済ませてから、隣接している施設をチェックしました。いつもみていない場所も今日は見てみようと思いました。

ぼくは大会の当日はワイワイとおしゃべりできるタイプではないので、あまり人が来ない場所に行ってTwitterを見たり、YouTubeの動画をチェックしています。SNSに顔は出していませんけど、音ノ市の大会も今日で5回目ともなると、何となくいるのがわかるみたいで、数人の方に声を掛けられました。お話をする中で大体言われるのが、「Twitter読んでます」という一言。ぼくはカラオケに行ったときに、自分が歌い始めた曲を録音して記録に残しておこうと思ってTwitterにアップしたりしますけど、そういう曲を聞かれていることがわかりました。SNSですから誰にでも聞かれるのはわかっていますけど、でもそれほど多くの人には聞かれていないと思っていたのですが、近しい人たちには思いっきり聞かれていると、「恥ずかしい」と思ってしまいます。とはいえ、カラオケが好きな方たちとリアルな交流をすることができるのが、カラオケ大会の楽しみでもあります。

ものすごく長くなりそうなので、続きは明日以降に書いていきます。

心の傘

ぼくが歌を勉強しているなかで、ものすごく参考にさせて頂いているアーティストのお1人が林部智史さんです。

林部さんがときどきテレビ出演されるのが、BS朝日で放送している「人生、歌がある」という番組です。2週間前の2月10日放送のこの番組で林部さんは、由紀さおりさんの「ルームライト」をカバーで歌い、オリジナル曲は「心の傘」という曲を歌われました。

「心の傘」は、2023年9月28日に発売されたアルバム「RAINBOW」に収録された1曲です。「RAINBOW」=虹を織りなす7色をテーマに、7曲の作品を作った企画で、「心の傘」は「藍色」がテーマの色だそうです。作詞・作曲を林部さんが行い、編曲を西村真吾さんが作られたマイナー調のロックテイストな楽曲です。番組では司会の藤あや子さんが、心の傘というタイトルでロックという説明に対して「ロックを歌われるんですか」と不思議そうにしていたのが印象的でした。

言葉の意味を知っているようで知らないというのは、ぼくの場合よくあることです。虹の7色は、上から順に、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、だそうです。イメージは受けとめていても、1つずつの色を切り分けたことはありませんでした。

「ロック」という言葉も、元々は「ロックンロール」というアメリカの黒人音楽を起源にしているものの、今ではロックバンドが演奏する音楽を総称して使っているのかなと思えるほど、おおまかな言葉として使われています。サウンド的にはエレクトリックギターをベースとし、ドラム、ボーカル、キーボードから構成されるのが基本的なようです。

林部さんは虹の7色の中で藍色について、作家の中では選ばれにくい色なので、自分が選んだと話されていました。藍色は暗い青色なので、ぼくだったら夜空とか深い海の底とかを思い浮かべますし、藍染のような和の落ち着きみたいなイメージを思い起こします。

ところが、「心の傘」は、傘とか雨とかに藍色のイメージを浮かべたとは思いますけど、藍色で林部さんは、心の叫びというロックを書きたかったそうなんです。

改めて歌詞を読むと、1番では「自分がキライ」として、嫌なことから逃げてばかりの孤独な自意識モンスターと評して、傘をさしている自分は風に晒されて、ずぶ濡れになって、あったかい布団に縋ろうとする心の弱さを描きます。2番では「自分がスキ」として、空気が読めて生きやすくあるけど、雨は自分の暗い心を馴らしてくれて、傘の中で生きているのは楽だと言い聞かせている。でも本当にそうなのかという心の叫びが高まって、心の中にある鎧とかプライドを雨が流してくれたら、明日は変われるかもしれないという内容。

林部さんはこういう主人公の心の葛藤を、2番の終わりから大サビ、ラストにかけて、巧みに表現されていたし、全身全霊での歌い方がよく聴いている曲とは違っていい印象でした。

「心の傘」を聴いた視聴者の感想は、いつもの大人しめな好青年とは違う、男らしい感じの歌唱を褒めている内容が多くて、「やっと本音を出してくれた」という褒め言葉も散見しました。林部さんはこういった感想には「誰にでもある感情を表現しただけなので、ぼくは別に…」とやや否定的なニュアンスでしたが、もともとはEXILEのオーディションにも応募していた方なので、こういう曲調の楽曲も歌えるだろうとぼくは思っていました。

残念なことに「心の傘」はDAM★ともには入っていませんけど、ぼくはこの曲を最近聞き込んでいるなかで、いつか歌って発表できたらいいなと思っています。